Visual C++再頒布可能パッケージのインストール方法
Visual C++再頒布可能パッケージ(Redistributable)は、Microsoft Visual C++で開発されたアプリケーションを実行するために必要なランタイムライブラリを提供します。以下では、Visual C++再頒布可能パッケージのインストール方法、更新方法、アンインストール方法、およびロールバック方法について解説します。
インストール方法
Visual C++再頒布可能パッケージ(Visual C++ Redistributable)はアプリケーションのインストーラーに含められていることが一般的です。そのため、Visual C++再頒布可能パッケージを個別にインストールする必要はあまりないと思います。ただし、アプリケーションのインストーラーに含まれていない場合や、手動でインストールする必要がある場合は、以下の手順でインストールできます。
EdgeやChromeなどのブラウザーでVisual C++再頒布可能パッケージのダウンロードページにアクセスします。
必要なバージョンとアーキテクチャの再頒布可能パッケージを選択します。通常は最新のバージョンを選択することが推奨されます。x86(32ビット)とx64(64ビット)のどちらが必要か分からない場合は、両方インストールしても特に差し支えはありません。
ダウンロードしたインストーラーを実行します。
ライセンス条項および使用条件が表示されますので、内容を確認して同意の欄にチェックを入れ、
インストール
ボタンをクリックします。インストールが開始されます。進行状況が表示されますので、完了まで待ちます。
インストールが完了すると、完了メッセージが表示されます。
閉じる
ボタンをクリックしてウィンドウを閉じます。コンピューターの再起動が必要となった場合は、指示に従って再起動します。
なお、最近のWindowsでは再起動マネージャーの機能により再起動が必要となるケースが減少しています。もし再起動が必要となる場合の再現テストが必要な場合は、ローカルグループポリシーエディターからコンピューターの構成
>管理用テンプレート
>Windowsコンポーネント
>Windowsインストーラー
>再起動マネージャーの使用を禁止する
の設定を有効にしておき、MFCアプリケーションなどVisual C++ランタイムを使用するアプリケーションを実行した状態でインストールを行うとよいでしょう。
更新方法
Visual C++再頒布可能パッケージは今のところWindows Updateを通じて更新が提供されていません。新しいバージョンが必要となる場合は、手動で新しいバージョンのインストーラーをダウンロードしてインストールする必要があります。使用するインストーラーは新規インストール時と同様で、作業手順も新規インストール時と同じです。
アンインストール方法
Visual C++再頒布可能パッケージ(Visual C++ Redistributable)は多くのアプリケーションで必要となるものですので、サポート期間中であれば基本的にアンインストールは不要です。ただし、アプリケーションが不要になった場合や、トラブルシューティングのためにアンインストールする必要がある場合は、以下の手順でアンインストールできます。
設定
アプリを開きます。Windows 11では、スタートメニューから設定
を選択します。アプリ
を選択し、次にインストールされているアプリ
を選択します。インストールされているアプリケーションの一覧から、アンインストールしたいVisual C++再頒布可能パッケージを見つけます。通常は
Microsoft Visual C++ 20xx Redistributable (x64)
やMicrosoft Visual C++ 20xx Redistributable (x86)
のように表示されます。対象のパッケージをクリックし、表示されるメニューから
アンインストール
を選択します。確認ダイアログが表示されますので、
アンインストール
をクリックします。セットアップの変更画面が表示されますので、
アンインストール
ボタンをクリックします。アンインストールが開始されます。進行状況が表示されますので、完了まで待ちます。
アンインストールが完了すると、完了メッセージが表示されます。
閉じる
ボタンをクリックしてウィンドウを閉じます。コンピューターの再起動が必要となった場合は、指示に従って再起動します。
ロールバック方法
Visual C++再頒布可能パッケージのバージョンを直接ロールバックする方法は用意されていません。新しいバージョンの再頒布可能パッケージをインストールすると、古いバージョンは自動的に置き換えられます。もし特定のバージョンに戻す必要がある場合は、一度アンインストールした後に目的のバージョンをインストールし直す必要があります。
再発布可能パッケージのコマンドラインオプション
Visual C++再頒布可能パッケージはコマンドラインから実行することも可能です。グループポリシーやIntuneなどの管理ツールを使用してVisual C++再頒布可能パッケージをインストールする場合、コマンドラインオプションを使用してインストールやアンインストールを行うことができます。
オプション | 説明 |
---|---|
/install | 再頒布可能パッケージをインストールします。 |
/uninstall | 再頒布可能パッケージをアンインストールします。 |
/repair | 再頒布可能パッケージを修復します。 |
/quiet | 画面を表示せずサイレントでインストールやアンインストールを実行します。コンピューターの再起動が必要となった場合は強制的に再起動されるため注意が必要です。再起動させないようにするには/norestart と組み合わせて指定します。 |
/norestart | コンピューターの再起動が必要となった場合に再起動をスキップします。再起動が必要となった場合はプロセスの終了コードとして3010が返されます。 |
/log | インストールやアンインストールのログを指定したファイルに出力します。例: /log %temp%\install.log |
参考情報
よく見かけるエラー
アプリケーションと共にVisual C++再頒布可能パッケージをインストールしようとしているときによく見かけるエラーを挙げておきます。
エラーコード 0x80070666
このエラーは、より新しいバージョンのVisual C++再頒布可能パッケージが既にインストールされている場合に発生します。この場合、再頒布可能パッケージは既に最新の状態であるため、特に何もする必要はありません。
別のバージョンの製品が既にインストールされています。このバージョンのインストールを続行できません。既にインストールされているバージョンの製品を構成、または削除するには、コントロール パネルの [プログラムの追加と削除] アイコンを使用します。
エラーコード 0x80070643
このエラーは、Visual C++再頒布可能パッケージのインストール中に致命的な問題が発生したことを示します。ケースバイケースの対応が必要なため、ログファイルの調査が必要です。原因の一つとしては、こちらで紹介しているケースのようにWindowsインストーラーキャッシュが削除されていることが考えられます。
インストール中に致命的なエラーが発生しました。
エラーコード 0x80070659
このエラーは、Windowsインストーラーがグループポリシーで無効となっている場合や、ソフトウェア制限ポリシーでインストールが許可されていない場合、AppLockerのルールでインストールが許可されていないなどのケースで発生します。この場合、グループポリシーやソフトウェア制限ポリシーの設定を確認し、必要に応じて変更する必要があります。
このインストールはシステム ポリシーで許可されていません。システム管理者に問い合わせてください。